最高のパフォーマンスを引き出すための行動科学

行動科学とはモチベーションを上げること

 行動科学なんて言うと、何それ?どういうこと?何を表してるの?とお思いになることでしょう。
簡単に言うと、働く人のモチベーションをどうやって維持・向上させるか、
勉強する時、掃除をする時、どうモチベーションを保つかなどを科学的に研究する学問です。
では、具体的にどう言うことを次節で簡単な例を踏まえて紹介しましょう。

一番簡単なのはインセンティブを与えること

 モチベーションを上げる方法として、代表的なのがインセンティブを与えることです。
インセンティブとは、報酬や誘因といったことです。
 例えば、「お金をもらえるから頑張る」というのはお金という報酬を得るために自分のモチベーションを上げるということになります。実はこれも行動科学の一つなのです。
 他にも、「先輩や上司みたいになりたい」と思い、自分のモチベーションを上げることは、先輩・上司に誘因されて自分のモチベーションが上がるという、これもまた行動科学の一つです。
 有名な研究では、マズローの「欲求階層説」や、マクレガーの「XY理論」なんかがあります。
とはいえ、そんな知識よりも、自分も相手も含め、手っ取り早くモチベーションを維持・向上する方法が知りたいですよね?
 次節にて私の経験を踏まえてその方法を述べていきましょう!!

自分のモチベーションを維持・向上させる方法

 まず一つ目は、「志」を持つことです。志とは、自分の成し遂げたいこと、自分が何のために生まれてきたのか、
世の中のためにどう貢献していきたいかなどを明確にし、それを達成するために必要なことを実践して行くことです。
 吉田松陰という歴史上の人物をご存知でしょうか。吉田松陰は、山口の長州藩で数十名に対して教育を行った人です。
その教え子が、初代内閣総理大臣の伊藤博文や、各種大臣、大学創始者なのです。その吉田松陰の教え方は常に志を問うものでした。何かを成し遂げるには志が重要ということですね。志さえ持てれば、自ずとモチベーションが上がる訳です。
 
とはいえ、そもそもそんな志なんて持てないよ、特にこれといったものがないよ、という方も少なくはないと思います。
そんな時はどうしたら良いか、その答えも吉田松陰は明確にしています。
 それは、至誠を貫くことです。至誠とは、当たり前のことを当たり前に、精一杯実施することです。妥協はしてはいけません。挨拶、掃除、仕事、人の話を聞く、文句を言わない、時間を守るなどです。そんなことかと思うかもしれませんが、
実際ちゃんとできてる人は極少数派だと思います。これを書いている私自身も心もとないものです。
至誠を貫くと、自分の役割というのが明確になると吉田松陰は言っています。その役割こそが志に変わるということです。
 
 私自身の話をしますと、私は5年前に技術士の方のセミナーを受講した時、自分もその方のように活躍したいと奮起し、
技術士への挑戦、コンサルタントへの挑戦を決めました。今の私の志は、製造業を営む中小企業を発展させ、日本を元気に、世界が羨む国にすることです。そして、そこで働く人々と家族を幸せにすることです。これは綺麗事ではありません。本気で思っています。私が生きている間には達成できないかもしれません。それでも、少しでも貢献できれば、こんな幸せなことはないです。リンカーンの名言である「意志あるところに道は開ける」をモットーにこれからも精進していく所存です。

 続いて二つ目ですが、これは自分の師匠、ロールモデルを作ることです。経営者の方であれば、パナソニックの創始者である松下幸之助さんや、京セラの創始者である稲盛和夫さんなどが当てはまると思います。このお二方に関する書籍が多数出版されていますので、ぜひ読んでみてください。きっと良い影響を受けるはずです。事実、このお二方に影響された経営者はかなり多いです。
 一般社員の方や、管理職の方であれば、自分の上司や先輩、上司や先輩にそのような方がいなければ、外部との繋がりを作ってください。コミュニティに参加するもよし、web読書会などに参加するもよし、無料セミナーにひたすら参加するもよし、そうやって行動していると、どこかで自分の尊敬できる人、ロールモデルとなる人が見つかります。
 私も様々なセミナーに参加し、尊敬できる人、ロールモデルとなった人を見つけられました。少しでも興味を持ったら即行動あるのみです。行動しなければ何も変わりません。せっかくの一度きりの人生ですし、人生の大半を仕事に費やすことになるわけですので、その仕事を充実した時間にした方が人生楽しくないですか?
 とはいえ、お金はある程度稼げて、趣味や好きなことに時間を費やすことが良いといった考えもあります。なので、強制はしません。何かモヤモヤしてる方、何かしたいけどどうして良いか分からない方、そのような方々の背中を押せたら、このブログを始めた甲斐があります。ぜひ、チャレンジしてみてください。

相手のモチベーションを維持・向上させる方法

 相手には様々なタイプがいると思います。上司などの目上の人、同僚や同期など立場が同じ人、部下や後輩などの立場が下の人などです。そんなタイプが違う相手ですが、全て共通して有効な方法があります。当然、それぞれにとってとても有効な方法があるのももちろんですが、それぞれによってやり方を変えるより、同じ方法で統一した方が手っ取り早いですよね?
と言うわけで、ここではその方法を紹介します。

 皆さんの周りにこういう方はいませんか?仕事をしない、肝心な情報をメールで済ます、方針を出さない、口だけで行動しない、自分のことは棚にあげる、プライドばかり高い・・・などなど、このように言い出したらキリがないですが、同じような経験・思いを持った方は少なくないのではないでしょうか。
 では、このような相手をどのようにして変えていくか、どのようにしてモチベーションを上げさせるか。ここで一番やってはいけないのは、ストレートに伝えることです。「◯◯して(ください)」「□□は良くない(と思います)」「△△するべき(です)」など、相手の意思と反することをストレートに言うのは厳禁です。これをやって成功するのは、よほど信頼を得ているか、発言を求められたときだけです。そうでなければ逆効果です。言いたくなる気持ちは分かりますが、あなたが余計辛くなるだけです。
 それではどうするのが良いのか、それは相手を認め、信じて、傾聴し、任せることです。結局のところ、相手を変えるのはかなり難しいです。それもそのはずです。だって自分が変わるのだって難しいのですから。自分が変わるのでさえ難しいのに、相手を変えるなどおこがましいと言っても過言ではないです。なので、まずは自分が変わることが肝要です。
 山本五十六をご存知でしょうか。連合艦隊司令長官として真珠湾攻撃を実行した方ですが、そのリーダーシップ力は目を見張るものがあります。
彼の名言を聞いた方もいるのではないでしょうか。「やってみせ 言って聞かせてさせてみせ 誉めてやらねば人は動かじ」「話し合い 耳を傾け承認し 任せてやらねば人は育たず」「やっている姿を 感謝で見守って 信頼せねば人は実らず」どうでしょうか、どちらかと言えば部下や後輩に対しての行動ですが、この思想にはどの相手にも有効な部分があります。それは、「耳を傾ける=傾聴」と「感謝」「信頼」です。これをいかに相手に伝える(できる)かです。
 それでは、この3つを具体的に説明していきましょう。

傾聴は相手の話をどう聴くかです

 「聞く」と「聴く」の違いは何でしょう?「聞く」は単純に話を聞くなどの行動・物理的な意味合いです。
それでは「聴く」はどうでしょう。「耳」と「十」と「目」と「心」で「聴」という漢字になります。
著者が考えるに、「聴く」とは耳と目と心で十分に話を聞くことと理解しています。
 よって、「傾聴」とは相手の話に100%集中して聴くことです。相手の方を見て、笑顔で、相槌を打ちながら、時折リアクションを見せて、相手が話を聞いてもらえていると思わせることができるくらいに真剣に話を聴くことです。
時には、忙しくて蔑ろにしてしまったり、話の途中で遮ったり、自分の話に切り替えてしまったり、反論したり、パソコンを打ちながら話を聞いたりしてしまうこともあるかと思います。でもそれって、話をしている側からしたらどう思うでしょうか。皆さんが同じことをされたらどうでしょう。話し手との信頼関係が築けず、良いパフォーマンスはできなくなるでしょう。
 どんなに忙しくても、相手の話がつまらなくても、的を得ていなくとも、納得できないような内容でも、まずは全集中で聴くことに徹することです。
あなたがそうすれば、周りもあなたへの信頼が増します。そうすると、今度は自分の話を聞いてくれたり、自分の意見が通りやすくなります。結局のところ、頭が良いとか、技術があるとか、優秀だとかは関係ないのです。人として信頼できる人かというのが一番効果があるのです。
 しかもこれは即実行できます。今日から、明日から、実践していきましょう。

感謝の気持ちを伝えるには様々な方法がある

 皆さんは感謝の気持ち伝えていますか?ここも意外とできていないのではないでしょうか。例えば、部下に対して、仕事をするのは当たり前だから、感謝の気持ちなんて伝えることはないとか思っていませんか?上司に対して、感謝や尊敬の意を持って接していますか?
 これは私の実体験ですが、上司が本当に仕事をせず、ただ下に投げるだけで教育も何もしない方がいました。
その後のフォローもなく、口だけで行動に移さないような方でした。自分のことは棚に上げ、はっきり言って全然尊敬できなかったし、呆れていました。人としてどうかと思ったりもしていました。ただ、そういった気持ちはやはり相手に伝わるんですね。自分で意識していないところで、そういう態度が出てしまうんですね。そうなるとどうなるでしょう。そうです、上司に目を付けられるわけです。これはもう最悪です。やりたい仕事もできず、意見も通りません。
 そして、部下に対してもですが、仕事が遅い、何度言っても理解できない、やる気がない、こいつも人としてどうかと思うなんて思っていた時期がありました。こんな気持ちでいると、自分の精神状態は良くなく、部下ともギクシャクして、これもまた、良いパフォーマンスができません。
 では、この後著者はどのようにして、関係を良くしていったかを説明していきます。
①とにかく良いところを探す。
②感謝の気持ちを持って接する。

 まずはこの2つを徹底的にやりました。人間ですから、良いところも悪いところもあります。片方だけの人なんていないはずです。そして、人間というのは、どうしても悪いとこに目がいってしまうのです。そこを悪いとこだけでなく、良いところを探すことを徹底しました。そうすると、絶対良いところは見つかります。見つけられなかったら、それはあなたの見る目がないということです。もっと自分の心の器を大きくしましょう。
 次に感謝の気持ちを持って、それを伝えることを徹底しました。ちょっとしたことでも、すぐに感謝の気持ちを伝えました。そうすると、相手の反応が変わってきます。なぜなら、感謝の気持ちを伝えられて、嫌な思いをする人はいるでしょうか?皆さん気持ちが良いものです。そうすると、感謝の気持ちを伝えられた側は、今度はもっと良いことをしようと前向きになります。この繰り返しで人は変わっていきます。
 私はこれを職場の人全員に実施しました。感謝の気持ちは何も言葉だけではありません。手紙やカードに書いて渡しても良いのです。もらった方は、最初は戸惑うかもしれませんが、受け取る時は決まって皆さん「ありがとう」とありがとう返しをします。そうすると、それが浸透して私もやりたいという方が出てきたりします。そうなると、常に感謝の言葉が行き交い、職場の雰囲気が良くなります。こちらもすぐできることですので、どんどん自分から積極的に実施していきましょう!!

信頼とは「任せること」「頼ること」

 まずは「任せること」から説明しましょう。これは部下や後輩に対して実施することです。
先ほどの山本五十六の名言でも出てきましたが、とにかく、難しいことでも任せることです。ただし、闇雲に任せて放置してはいけません。難しい案件になれば、ちゃんとフォローしないと部下や後輩はかえって仕事を投げられたと思い、あなたを信頼しなくなってしまいます。
 ですので、定期的に進捗状況、困っていること、問題点、方向性の擦り合わせを実施してください。定期的というのは理想は一週間に一回です。難しいなら、最低でも月に1回は実施してください。部下や後輩は自分を気にかけてくれている、話を聞いてくれると、あなたを信頼することでしょう。ただし、自分の意見を押し通してはいけません。必ず最終的には相手に決めさせることです。例えば、「その方法だとこういう問題が発生する可能性があるけど、どう思う?」など相手に投げかけましょう。悩んで答えが出なかったら、ヒントを与えて、最終的には自分で決めさせましょう。

 次に「頼ること」を説明します。こちらは、目上の方、上司・先輩に対してです。一番気をつけて欲しいことは、
自分の考えを持たずにどうしたら良いか質問すること
です。これは絶対やってはいけません。
 上司や先輩からしたら、そんなことも考えられないのかと、あなたの評価を悪くしてしまいます。ですので、必ず自分の考えを伝えてから相談なり質問したりしましょう。
 それでは、ここから頼ることについて本格的に説明していきましょう。頼るというのは、ここぞという時だけに使います。
どういうことかと言うと、上司や先輩はあなたより忙しいと思ってください。暇そうに見えても、そう思ってください。
毎回毎回、相談・質問されたら、さすがに「またか、そのくらい自分で考えろよ」「そう思うなら行動しろよ」などと思われてしまいます。では、ここぞとはどう言う時か。それは、上司や先輩が興味を持ちそうな事について話をする時です。
 例えば、上司や先輩にはそれぞれ得意分野や大事にしている考えなどがあると思います。その内容の相談であれば、間違いなく食いつくでしょう。人と言うのは自分の得意なこと、好きなことを話すのが好きなものです。要は、相手に気持ちよく喋ってもらおうという魂胆です。その時に、「そうなんですか!?」「そう言うことなんですね!」「勉強になります」など、所々でリアクションをしましょう。これだけで、あなたに対して好印象を抱きます。これは取引先相手にも使えるスキルです。相手に喋ってもらうことを意識しましょう。

最後にデール・カーネギーの話をして終わります

 デール・カーネギーをご存知でしょうか。対人スキルに関する教育者です。彼の書籍で「人を動かす」と言う有名な書籍があります。その書籍の中でもこれまでご紹介してきた内容が含まれています。
 具体的には、相手の利益・不利益を考え、相手の立場に立って話をするといった内容です。
自分の利益を得るためには、相手の利益を先に考えなければなりません。自分の意見を言ったところで、相手のメリットがなければその意見は通らないと言うことです。
 書籍を引用させて頂くと、カーネギーは、とあるホテルで講習会を開催していました。しかし、そのホテルの支配人から、突然講習会の会場の値段を3倍にすると通知されたのです。当然、3倍にされたら講習会は赤字となり、講習会をやるメリットがなくなります。さて、皆さんだったらどうしますか?
 突然の通知に対して支配人に「どう言うことだ!ふざけるな!」と捲し立てますか?「だったらもう使わないぞ!」と怒りをあらわにしますか?理由を聞いても、ホテルの業績悪化のためと言われたらどうしようもないですよね?しかし、カーナギーは最終的に5割増しだけで手を打つことに成功しました。ではどう言った行動を取ったのか、説明していきましょう。
 
 勘の鋭い方なら、もうお分かりかもしれません。そうです、相手の利益を考えたのです。さらに不利益についても考えました。具体的に説明していきましょう。
 まず、値段を3倍にしたことによるホテル側の利益です。カーネギーは3倍の料金を支払ったら赤字なので、当然講習会を実施するわけにはいきません。しかし、すでに関係者へ告知しているため中止することもできません。
そこでカーネーギーはホテル側の利益としてこう考えました。
①3倍の料金は支払えないので、他の会場を探します。そうすると、会場が空くので違うビジネスをホテル側は実施するこ 
 とができる。
②その空き会場でパーティーや集会を開けば、その収益を得ることができる。
このように、ホテル側の利益になる提案を考えたのです。次に不利益ですが、
①カーネギーから料金をもらえなくなり利益が全くなくなる。
②カーネギーの講習会の参加者がホテルの客になる可能性がある。対応によってはその参加者の家族や知人にも宣伝してもら
 える機会を失う。
カーネギーを通知を受けてから、一旦持ち帰り、上記の利益・不利益を考え、翌日支配人に伝えました。これにより支配人は料金3倍を取り下げ、5割増しでどうかとカーネギーに提案しました。
 さて、支配人の感情・心情にどのような変化があったのでしょうか。深掘りしていきましょう。
まず、支配人からすれば、利益を上げなければなりません。だから料金を3倍にすると通知したのです。支配人として責任もあるし、利益を上げなければ自分の首が飛ぶかもしれません。要は、「ホテルの利益を上げたい」が支配人の利益になるわけです。カーネギーはそのホテルの利益を上げたいという支配人の利益になる考えを伝えたのです。支配人からすれば、自分の利益に繋がるのであれば、それを断る理由はないですよね?
 この結果から、自分の意見を通したい時は、相手の利益を考え、相手の利益になる提案をしなさい。そうすれば、自分の意見も通り、利益も得られると言うことを示しているわけです。

 さぁ、いかがでしたでしょうか。実際にやるのは難しいかもしれません。いや、難しいです。私もそんなすぐすぐはできませんでした。しかし、毎日少しづつだけでも良いから実践することです。それが習慣になり、自然とできるようになっていきます。朝起きて顔を洗う、歯磨きをする、と同じように習慣化していきましょう。そして、実践をいつやるか。そうです、今すぐにでも実践していきましょう。あなたが変われば、周りも影響されて変わります。信頼され、人を動かせる人間になっていきましょう!!

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