PDCAをうまく回すスキル

 PDCAサイクルを回すことの重要さは、経営者を始めとする社会人ならご承知のことと思います。
そこで質問です。そのPDCAサイクル、うまく回して効果的に進められていますか?成果に繋がっていますか?
目標達成、課題達成、問題解決できてますか?何となくな結果になっていませんか?うまく回せた実感ありますか?
恐らく、この質問に全て「はい」と答えられる組織や個人は少ないのではないでしょうか。
 PDCAサイクルもその他の経営工学に関する技術もそうですが、その技術をいかに応用するかが肝要です。PDCAサイクルは品質管理業務、各種マネジメントシステムの運用でも求められています。それにも関わらずうまく回せていないのはなぜなのか。その要因を明確にし、対応を述べて行きましょう。

チェック(C)と処置(A)がうまくできていない?

 目標を立て、目標を達成するための方策を考案することが計画(P)です。後は計画通り遂行(D)するだけです。
なんだ、そんなこと分かってるよ。といった声が聞こえてきそうですが、はっきり言ってこれではうまく行きません。
チェックと処置が疎かになって、結局計画が計画じゃなくなり、その場しのぎの対応となって、大きな成果は得られないでしょう。では、なぜCとAがうまく機能しないのでしょうか?いやいや、ちゃんとチェックしてるよ!!その処置もしっかりやって成果も出てるよ!!という方はそれで良いですが、できてない組織・個人と、できてる組織・個人の差はどこにあるのか、次項でそこを明らかにして行きましょう。

成果の出る組織・個人

 まずは精神論的な観点から、成果の出る組織・個人とでない組織・個人の違いを分析して行きましょう。
正直言って、ここが変わるだけで60%の確率で成功します。ここを抑えることが非常に重要です。
 まず1つ目は、目的・目標がレベルの高いものになっているかです。組織では、毎年、年度初めに幾つかの目標を設定すると思います。その目標の中身が以下のような目標になっていませんか?
「◯◯を維持する」「◯◯の教育を年1回実施する」「◯◯のデータを取る」「◯◯を見える化する」
どうでしょうか。自分達の組織で該当するもの、もしくは似たような目標はないでしょうか。
 どういうことかと言うと、行動自体が目標になってしまっている状態です。重要なのは、その行動を取ることで達成したいことが目標です。ここは履き違えている企業は多いです。まずは、達成しなければならない事項、ありたい姿、理想など、高い目標を設定しましょう。
 高い目標を設定すると、本気でやらなければ達成できません。上記の例のような行動自体を目標とすると、頑張らなくても、達成できてしまいます。そもそもそれって目標とは言えないですよね。目標とは、それに向かって努力し達成するものです。受験や資格取得なんかはそうですよね。行きたい学校、取りたい資格があるから、その目標に向かって本気になって努力する訳ですから。本気にならなければ、合格なんてできませんよね。
 高い目標を本気で取り組みましょう。そうすれば、PDCAサイクルの運用自体も自ずと本気で取り組みうまく活用できます。

PDCAサイクルで最も重要なのはP(計画)

 これは、様々な意見があると思います。でも私はあえて言いたい。計画こそが最も重要だと。
ではなぜ計画が最も重要なのか説明していきましょう。
 先ほど、CとAがうまくいかないと提示しました。その要因の1つはCをどのタイミングで、どのように実施するか決めていないからです。目標達成までにはいくつかの段階があると思います。上記のような低い目標なら関係ないですが、高い目標となればなるほど、段階的に課題を達成して行くことになります。なので、その途中の達成具合を評価しなければなりません。
 計画の段階で、何を、いつまでに、どこまで達成するか、具体的に計画します。そうすると、チェックせざるを得なくなります。なので、計画の段階で達成したい目標はもちろんですが、その目標を達成するための途中の小目標も計画することです。計画の段階でチェックするタイミングを決めてしまいましょう!!

忘れてはいけない5W1Hの観点

 PDCAサイクルで計画が重要だと言いました。その計画では必ず5W1Hを踏まえて計画しましょう。
5W1Hとは、Who(誰が)、What(何を)、When(いつまでに)、Where(どこで)、Why(なぜやるか)、How(どのようにしてやるか)を明確にすることです。
 例えば、誰がやるかを明確にしなければ、誰もやりません。もしくは同じことを複数人でやっているなどの非効率な状態を招きます。次に、何をやるかを明確にしなければ、みんな好き勝手自分の好きなことをやり、肝心なタスクが漏れたりと、これもまた非効率になります。そして、いつまでにやるかです。個人的にはここが重要であり、ここをきちんと決めることで、Cのチェックが確実に行えます。次いでどこでの場所ですが、これは、重要なポイントを決めることです。目標を達成するために欠かせないタスク・工程など、実践しなければ絶対に目標は達成できないことを決めます。5Wの最後のなぜは、ここはメンバーの意思統一を確実にすることです。なぜその目標を達成する必要があるのか、その目標を達成すると、どのようなメリットがあり、達成できなかった時のデメリットを明確にし、メンバーと共通認識を得ます。これにより、各自が別々の行動を取ったり、異なる目標に向かってバラバラになるのを避けることができます。そして、最後のHowですが、5Wで決めてきた事象について、具体的にどのようにして目標達成して行くかを、ガントチャートやWBS(作業分解構成図)などで明確化、チームで取り組み内容を共有します。

まとめ

 ここまでいかがでしたでしょうか?決めるべきことが多く、こんなに全てきちんとできるのか・・・と思われるかと思います。もちろん全て完璧にやることに越したことはありません。ただ、それは中々難しいですよね・・・。ですので、次のポイントだけでも押さえておけば、PDCAサイクルはうまく回ります。それを記して今回は終わりたいと思います。
 1.目標は高く持つ。本気で取り組まなければ達成できないような目標にする。
 2.PDCAサイクルは最初の計画の段階が最も重要だと認識する。
 3.計画は、5W1Hの観点で、特に「何を、いつまでに、どこまで達成するか」を計画する。

 4.やるからには本気になって取り組む。
以上の4つです。特に4の本気になって取り組めば、その時点でほとんどの目標は達成はできます。そして、自ずとPDCAサイクルが回ります。精神論的な話になってしまいましたが、結局はそこです。同じ目標でも、やる人が変われば結果は変わります。それは能力の差ではありません。ポジティブに堅実に諦めずに取り組む人が成功します。本気になれば、能力が足りないと思ったらその能力を身につける行動を取ります。なので、高い目標を持って本気になって取り組んでみてください。その行動がPDCAサイクルをうまく回すスキルを身につけさせるでしょう!!

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